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悪質ホームページリース被害の手口 【1】 ~開業直後にご用心!!~

悪質ホームページリース被害の手口 【1】~開業直後にご用心!!~

(※複数の被害事例を基に再構成してあります。登場人物は架空の人物です。)

ここでいう「悪質ホームページリース」とは、

「あなたのお店のホームページが検索結果で上位表示されるように『SEO対策』をしますよ。お客さんも増えるので、月々の支払いも余裕でカバーできますよ」

などと執拗な勧誘をして、「SEO対策のソフトウェア」なるものに関するリース契約をさせるというものです。

業者はそのソフトウェアを100万から300万という高値でリースさせますが、実際にはほとんど価値がないものというのが実情です。

さて、このような悪質ホームページリース業者は、個人で事業をスタートしたばかりの人を狙って執拗な勧誘をしてくることが多いようです。

例えば、こんな感じです。

A子さんは、39歳の女性です。

これまで契約社員でしたが、元々趣味でやっていたハンドメイド小物を売るお店を開業することにしました。

お店が軌道に乗るまではとりあえず会社はやめず、お店を営業することにしました。

とりあえずフェイスブックなどのSNSを使って、「この度お店を始めました」と告知して、お店の電話番号を載せました。

すると、開業して1か月もしないうちに、「ホームページを作りませんか」「SEO対策をしますよ」と、「Y社」という業者からの勧誘の電話が頻繁にかかってくるようになりました。

A子さんは最初は「結構です」と断っていましたが、お店の電話にしつこく何度も勧誘電話がかかってくるので無視することもできません。

それに、勧誘の電話では

「ネット検索で上位表示されるようになりますから、顧客が増えます。月々の支払いもすぐカバーできるようになりますよ」

などとあまりにしつこく言われます。

A子さんとしても

(たしかにお客さんが増えるなら、いいかもしれない。あまりにしつこいし、とりあえず話だけ聞いてみよう。)

と思い、

「じゃあとりあえず話を聞くだけなら」

と、来訪を許すことにしました。

そこで、Y社の社員が店舗に来訪することになりました。

この後、A子さんは、お店にやってきたY社の社員の勧誘により総額200万円の悪質なリース契約を結ばされてしまいました。

このY社の社員による勧誘の手口は、次回に続きます。

さて、多数寄せられるご相談事案を見ていると、このような悪質ホームページリース業者による被害は、「個人で開業した直後」という方が狙われることが多いようです。

「会社員をしていたが、趣味が高じてお店を始めた」

「美容学校に通って、夢だったエステ店を始めた」

「会社の将来に不安を感じて、思い切って飲食店を始めた」

「パート兼主婦だが、自宅でダイエット指導を始めた」

このように、それまでお店を営業したことがなく、今回新たに個人で開業したという方の被害が多くなっている印象です。

(※会社員をしながら自宅で土日だけ行うという、「開業」とも言えないような小規模な場合もあります。)

個人でお店を開業する際、多くの方は、とりあえずはフェイスブックなどのSNSや、簡単なホームページやブログなどで「開業しました」等と告知すると思います。

悪質ホームページリース業者はそのような情報から、新たに個人で開業したばかりの方を集中的に狙っている可能性があります。

そういったターゲットとなる方を普段からネットなどで探しているのかもしれません。

悪質ホームページ業者からしてみれば、新たに個人で開業したばかりの方の場合、

・営業に関する知識や、このような悪質商法に関する知識も少ない。

・どのようにこれから集客していこうか手探り状態の方も多い。

・まだ他のホームページ関連業者に委託していない段階であれば、契約させやすい。

おそらくそのような理由から、新たに開業したばかりの方が多く被害に遭っているのではないでしょうか。

ですから、新たに個人で開業するという方は、ターゲットになっているかもしれないと認識し、そのような商法の被害に遭わないように、よくよくご注意いただき、

①勧誘電話は断る

②あまりにしつこいようなら「業務妨害で通報する」等と強く告げる

等、電話勧誘の段階で断るようにしてください。

愛知市民法律事務所 弁護士 榊原真実

「この手口、私のケースと同じかも」と思ったら、弁護士に相談を。

悪質ホームページリースなどの被害のご相談は

愛知市民法律事務所

弁護士 榊 原 真 実  まで。

TEL(052)529-6155

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