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介護していた場合の寄与分

被相続人を介護していた場合の寄与分について

(ケース)
被相続人(母親)と7年間同居し、常時介護をしていました。
被相続人は「要介護2」で、認知症もあり、日中のみならず夜間も世話をする必要がありました。
被相続人が亡くなり、兄弟と遺産分割について話し合いをしていますが、介護をしたことは「寄与分」として認めてもらえないのでしょうか?

(検討)

寄与分が認められるためには、
1:「特別の寄与」と言えること
2:被相続人の財産の維持・増加に寄与したこと
が必要です。

被相続人を相続人が介護していた場合に「特別の寄与」といえるかどうかについての具体的な要件としては、

1)療養看護の必要性
2)特別の貢献
3)無償性
4)継続性
5)専従性

が必要であるとされています。

1)療養看護の必要性に関しては、実務上、「要介護2」以上かどうかが目安と言われていますが、
要介護認定の級は身体能力の面を重視しており、認知症などにより常時監視が必要など、介護認定の級だけでは判断できない部分がありますので、諸事情を元に総合的に判断すべきといえます。

2)特別の貢献
「同居の親族の扶養義務の範囲を超えて相続財産の維持に貢献した」と言えるような、特別の貢献が必要とされています。
したがって、同居の親族の扶養義務の範囲として通常期待される程度の軽度の介護をしていたというケースでは、寄与分としては認められない可能性があります。

3)無償性に関しては、被相続人から、介護の対価として相当額を受け取っていた等の事情があると、無償性の要件を欠き、寄与分が認められないことになります。
逆に、無報酬かそれに近い状態でなされている場合には「無償性」は認められることとなります。
通常の介護報酬に比べて著しく少額である場合には、無償性があると言えるとされています。

4)継続性に関しては、実務上はおおむね1年以上であれば継続性が認められるとされていますが、実際には、要介護度の軽重等との兼ね合いで総合的に判断されることとなります。

5)専従性
「専業」や「専念」までは必要ないが、療養看護の内容が、片手間でできるものではなく、かなりの負担を要するものである必要があるとされています。

特別の寄与が認められるとして、その寄与分をどのように算定するかは悩ましいところです。

実際には、介護報酬基準などに基づく報酬相当額に療養看護の日数を乗じて、さらに「裁量割合」(一切の要素を考慮して調整するために裁量的に乗じる割合。0.7が平均的とされている。)を乗じて算出することが多いと言えます。

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