個人再生
個人再生とは
「支払いが苦しく、このままでは破産しなくてはならない」というような場合に、裁判所から許可をもらって、債務を5分の1などに減額(Q3へ)してもらって、原則として3年間(やむを得ない場合には5年間)で分割返済をしていく手続です。
この手続が利用できるのは、今後も継続して一定の収入が得られる見込みがある場合に限られます。
個人再生の流れ
1.個人再生手続をとることを決めたら、申し立て書類の準備にかかります。
依頼者の方には、陳述書への記入や不動産登記簿謄本の取り寄せなどをしていただきます。
1~6ヶ月程度
2.申し立て(申し立て書類がそろったら、弁護士が行います。)
1~2週間程度
3.裁判官との面談 ※面談がない場合もあります。
4.再生手続開始決定(裁判所が行います。)
2ヶ月程度
5.再生計画案の提出(毎月いくら返済していくかという計画の案を作って提出します。)
1ヶ月程度
6.再生計画案の認可(裁判所)
1ヶ月程度
7.再生計画案の認可の確定
1ヶ月程度
8.支払いスタート(3か月分を3ヶ月ごとに債権者に支払います。)
個人再生の費用
通常の個人再生 | 38万5000円~(税込) |
住宅ローンがある場合、個人事業主の方、複雑な事案の方 | 44万円~(税込) |
※実費は別途。
※別途裁判所に納める費用13,744円が発生します。
※お支払が困難な場合
・分割払いも可能です。
◆法テラスの民事法律扶助制度(弁護士費用の立替払い制度)のご利用も可能です(収入や資産の条件があります。上記費用基準とは異なる費用体系になります。)。
個人再生Q&A
- 1 どのようなケースで個人再生手続を利用するのですか。
- 典型的なのは以下のようなケースです。
ケース1.住宅ローンの他に消費者金融の借金が多額になって払えなくなってしまった。消費者金融の借金を整理したいが、住宅ローンはこれまでどおり支払い続けて自宅に住み続けたい。
→自宅の住宅ローンが残っている場合、破産手続を取ると、原則として住宅ローン債権者が自宅の競売を実行してしまうため、自宅を手放さなくてはならなくなります。
個人再生手続では、「住宅資金特別条項」を使うことによって、住宅ローン以外の債務だけ減額してもらい、住宅ローンはこれまでどおり支払い続けて自宅に住み続けるということが可能です。ですから、このようなケースで個人再生手続を利用される方は多くいらっしゃいます。
ケース2.債務が多いので本来は破産したいが、生命保険外交員や警備員など、破産すると職を失う仕事をしているので、破産できない。
→破産手続を取ると、生命保険外交員、警備員などの職を失うことがありますが、個人再生手続ではこれらの職を失うことはないので、個人再生手続が向いています。
ケース3.債務が多額なので、任意整理で減額してもらっても支払っていくのは難しい。弁護士からは破産した方がいいと言われたが、今後全く支払わないというのは心理的に抵抗が強い。少しは支払いながら、債務を整理したい。
→本来は、支払いをすべてしなくてよくなる破産手続の方が、債務者の方の生活再建という点からは適している手続と言えます。しかし、どうしても心理的に抵抗があり破産はしたくないという方の場合は、よく話し合った上で個人再生を選択する場合もあります。
※もっとも、破産手続への誤解から、破産に抵抗があるという方もいらっしゃいます。破産手続をとった場合の効果については、破産手続Q&Aをご覧ください。
※個人再生手続による返済の途中で支払いができなくなり破産手続をとらざるを得なくなった場合には、より手続費用のかかる管財手続しか認められない場合があります。ですから、無理に個人再生手続をとって無理な返済計画を立てることは避けなくてはなりません。
- 2 個人再生手続をとった場合、返済額はどれだけ減額してもらえるのですか。
- 返済額は以下のとおりに減額されます。(ただし、住宅ローンがある場合(上のケース①へ)は住宅ローンはこれとは別に残ります。また、保有する財産が多い場合には、清算価値保障原則により、以下の表とは異なる弁済額となる場合があります。)
●現在の債務残高(住宅ローンを除く)
●個人再生手続をとった場合の返済額総額
100万円未満
債務残高全額(減額されない)
100万円以上500万円以下
100万円
500万円を超えて1500万円以下
債務残高の5分の1の金額
1500万円を超えて3000万円以下の場合
300万円
3000万円を超えて5000万円以下の場合
債務残高の10分の1の金額
- 3 清算価値保障原則とはなんですか。
- 保有する財産の価値(清算価値)に相当するだけの額は最低でも返済していかなくてはならないという原則です。
たとえば、「現在の債務残高が400万円(住宅ローンを除く)」であれば、上の表によれば返済額は100万円になるはずですが、「実は、生命保険の解約返戻金、親から相続した土地、近々入る予定の退職金の価値を合計すると、300万円になる」という場合には、清算価値分の「300万円」は最低でも返済しなくてはならないということになってしまいます。
なお、住宅ローンの残っている不動産の価値は、現在の不動産の時価から住宅ローンの残高を引いた金額になりますので、通常は価値がないと判断されます。ですから、住宅ローンの残る不動産の価値については通常はお気になさる必要はありません。
- 4 個人再生手続をとった場合、支払い期間はどれくらいになるのですか。
- 原則として3年で返済します。やむを得ない事情があると裁判所が認める場合には、返済期間を5年に延ばすことができます。
ケース1.住宅ローンの他に消費者金融の借金が多額になって払えなくなってしまった。消費者金融の借金を整理したいが、住宅ローンはこれまでどおり支払い続けて自宅に住み続けたい。
→自宅の住宅ローンが残っている場合、破産手続を取ると、原則として住宅ローン債権者が自宅の競売を実行してしまうため、自宅を手放さなくてはならなくなります。
個人再生手続では、「住宅資金特別条項」を使うことによって、住宅ローン以外の債務だけ減額してもらい、住宅ローンはこれまでどおり支払い続けて自宅に住み続けるということが可能です。ですから、このようなケースで個人再生手続を利用される方は多くいらっしゃいます。
ケース2.債務が多いので本来は破産したいが、生命保険外交員や警備員など、破産すると職を失う仕事をしているので、破産できない。
→破産手続を取ると、生命保険外交員、警備員などの職を失うことがありますが、個人再生手続ではこれらの職を失うことはないので、個人再生手続が向いています。
ケース3.債務が多額なので、任意整理で減額してもらっても支払っていくのは難しい。弁護士からは破産した方がいいと言われたが、今後全く支払わないというのは心理的に抵抗が強い。少しは支払いながら、債務を整理したい。
→本来は、支払いをすべてしなくてよくなる破産手続の方が、債務者の方の生活再建という点からは適している手続と言えます。しかし、どうしても心理的に抵抗があり破産はしたくないという方の場合は、よく話し合った上で個人再生を選択する場合もあります。
※もっとも、破産手続への誤解から、破産に抵抗があるという方もいらっしゃいます。破産手続をとった場合の効果については、破産手続Q&Aをご覧ください。
※個人再生手続による返済の途中で支払いができなくなり破産手続をとらざるを得なくなった場合には、より手続費用のかかる管財手続しか認められない場合があります。ですから、無理に個人再生手続をとって無理な返済計画を立てることは避けなくてはなりません。
●現在の債務残高(住宅ローンを除く) | ●個人再生手続をとった場合の返済額総額 |
100万円未満 | 債務残高全額(減額されない) |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円を超えて1500万円以下 | 債務残高の5分の1の金額 |
1500万円を超えて3000万円以下の場合 | 300万円 |
3000万円を超えて5000万円以下の場合 | 債務残高の10分の1の金額 |
たとえば、「現在の債務残高が400万円(住宅ローンを除く)」であれば、上の表によれば返済額は100万円になるはずですが、「実は、生命保険の解約返戻金、親から相続した土地、近々入る予定の退職金の価値を合計すると、300万円になる」という場合には、清算価値分の「300万円」は最低でも返済しなくてはならないということになってしまいます。
なお、住宅ローンの残っている不動産の価値は、現在の不動産の時価から住宅ローンの残高を引いた金額になりますので、通常は価値がないと判断されます。ですから、住宅ローンの残る不動産の価値については通常はお気になさる必要はありません。