刑事事件・少年事件
家族が逮捕されてしまった、被疑者として事情聴取された、など、身近で刑事事件が起こった場合にはご相談ください。
成人の刑事事件
起訴前の弁護
まだ起訴されていない場合には、不起訴処分となるよう、弁護活動を行います。たとえば
・有利な情状(軽微な事件であること、前科がないことなど)を主張し、ご家族などに身元引受人となってもらった上で、起訴猶予処分にするよう検察官に働きかけます。
・被害者に対し、迅速に謝罪や被害弁償をすることで、場合によっては告訴取り下げをしてもらったり、軽い処分にするようにとの嘆願書を書いてもらい、検察官に提出して、起訴猶予処分にするよう働きかけます。
・否認している事件であれば、証拠がないこと、アリバイがあることなどを主張して、嫌疑不十分による不起訴処分にするよう検察官に働きかけます。
起訴後の弁護
・罪を認めている場合でも、なるべく軽い刑になるよう、証拠収集し、裁判所に主張します。起訴前の弁護と同様、ご家族に身元引受人になってもらったり、被害者への被害弁償などをして、情状酌量の余地があることを裁判所に主張します。
・罪の全部または一部を否認している場合には、無罪又は一部無罪となるよう、証拠収集し、裁判所に主張します。
・保釈請求をします。
裁判員裁判について
裁判員制度とは、市民から選ばれた裁判員が刑事裁判に参加し、被告人が有罪か否か有罪の場合にどのような刑にすべきかを、職業裁判官と一緒に決めていく制度です。
裁判員制度では、市民が刑事裁判に直接かかわることで市民の司法への信頼を深めること、裁判員それぞれの知識経験を活かした裁判がなされることで刑事裁判の質を向上させることが期待されます。
国選弁護人とは
死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件(窃盗、強盗、傷害など)の場合、被告人が貧困などの理由により自ら弁護人を選任することができない場合には、国の費用で弁護人を付けてもらう(※)ことができます。これを「国選弁護人」といいます。
起訴前の被疑者段階の場合は「被疑者国選弁護人」、起訴後の被告人段階の場合は「被告人国選弁護人」といいます。
(※裁判所が被告人に資力があると判断した場合には、判決時に被告人に弁護士費用の支払いが命じられることがあります。)
少年事件
20歳未満の少年が罪を犯した場合には、弁護士は、家庭裁判所送致前は「弁護人」、家庭裁判所送致後は「付添人」(つきそいにん)として、少年を弁護します。少年の場合は、少年の味方として付き添って、少年の話を聞いたり、社会に戻る環境を整えるお手伝いをしたりします。そのため、弁護人ではなく、「付添人」と呼んでいるのです。
少年事件で弁護士ができること
・少年の味方として少年に「付き添って」、精神的に支援します。
・少年がやっていない罪を認めてしまわないように、支援します。(少年は大人の意見に流されやすく、やっていない罪を認めてしまうこともあります。)
・軽微な事件や、家庭環境が整っている場合などは、家庭裁判所に対し「鑑別所に送致しないよう」求めます(実際に鑑別所に送致されずに済む場合もあります。)
・少年の更生のために必要な環境を整えたり、家族と話し合ったり、少年と話して反省を促したり、被害者への謝罪・弁償をすることで、少年が真に更生できるように支援します。
刑事事件・少年事件Q&A
- 1 重大な事件については、国で付添人をつけてくれる制度があると聞いたのですが?
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A.「国選付添人」といって、国の費用で付添人を付けてくれる場合があります。
故意(わざとやった)の犯罪行為により被害者を死亡させた場合、および死刑又は無期もしくは短期(法律に定められた刑期のうち、短いほうが)2年以上の懲役または禁錮に当たる罪をおかした少年のうち、鑑別所に収容されている少年については、裁判所が必要と判断した場合は、裁判所が国の費用で国選付添人をつける場合があります。
- 2 うちはお金がないので、付添人を付けたくても費用が払えません。
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上記の「国選付添人」を付けてもらえないが、お金がない場合には、法テラス(法テラスHPへ)の「刑事被疑者弁護援助制度、少年保護事件付添援助制度」を利用することにより、弁護士費用を立て替えてもらうことができます。
申込者が少年である場合には、費用の負担を求められることはありません。ですから、弁護士費用の心配はしなくて大丈夫です。
成人の刑事事件の弁護士費用
成人の刑事事件の着手金
事案簡明な事件 | 220,000円~550,000円 (税込) |
通常の事件 | 550,000円~ (税込) |
※起訴前、起訴後それぞれの段階で発生します。
成人の刑事事件の報酬金
不起訴処分、求略式命令または執行猶予になった場合や、検察官上訴が棄却された場合 | 550,000円~(税込) ※事案簡明な場合は220,000円~550,000円(税込) |
求刑より減刑された場合 | 減刑の程度による相当な額 |
無罪になった場合 | 660,000円~(税込) |
少年事件の弁護士費用
少年の刑事事件の着手金
家裁送致前・送致後の付添人活動 | 家裁送致前・送致後それぞれ220,000円~550,000円(税込) |
抗告、再抗告および保護処分の取り消し | 550,000円~(税込) |
少年の刑事事件の報酬金
非行事実なしに基づく審判不開始または不処分の結果になった場合 | 550,000円~(税込) |
その他の結果になった場合 | 220,000円~550,000円(税込) |
お支払いが困難な方
重大事件の被疑者または被告人で貧困などの理由により私選弁護人を付けることができない方に関しては、被疑者国選弁護制度または被告人国選弁護制度が適用されます。
重大事件の要件に該当しない場合は、私選弁護人を選任することになりますが、資力の乏しい被疑者の場合は、法テラスの「刑事(けいじ)被疑者(ひぎしゃ)弁護(べんご)援助(えんじょ)事業(じぎょう)」により、弁護士費用を立て替えて払ってもらうことが可能です。
なお、少年事件で、少年本人が私選弁護人を選任する場合には、資力が乏しいことは明らかですから、ほとんどの場合刑事被疑者弁護援助事業の利用が可能ですし、償還が免除されることがほとんどです。
この制度のご利用については、依頼したい弁護士に直接尋ねてみてください。