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悪質ホームページリース被害の手口【4】 ~週1回クリックしても、全然上位表示されない!~

悪質ホームページリース被害の手口【4】

~週1回クリックしても、全然上位表示されない!~

(※複数の被害事例を基に再構成してあります。登場人物は架空の人物です。)

その後、A子さんはY社の「技術部」のC川という社員とやり取りをし、A子さんのお店のホームページが作られ、ホームページの運用が開始されました。

ホームページといっても、簡単な作りのものだったので、A子さんは不安を覚えました。

でもA子さんは、B山が置いて行ったノートパソコンを操作して、

B山から言われたとおりに「実行」ボタンを毎週1回クリック

して、ホームページの検索順位が上がるように祈りました。

リース料金としてZ社に対する1か月29,000円の支払いも始まりました。

しかし、1か月経っても、2か月経っても、一向にホームページは上位表示されません。

それどころか、設定したキーワードで検索しても、1ページ目どころか、2ページ目にも3ページ目にも表示されません。

A子さんの努力で、フェイスブックなどのSNSや口コミで知ったお客さんがだんだんと増えてきて、売り上げは少しずつアップしてきましたが、ホームページを見たお客さんなどは皆無と言える状況です。

そこでA子さんはお店をやっている友人に相談しました。

すると友人からは、

「そんな高い契約したの?今どきホームページなんて無料で作れるよ。それって詐欺なんじゃないの?」

と言われました。

そこでA子さんは、Zリース社に電話して、「解約したい」と連絡しました。

しかしZ社の担当者からは

「リース契約ですから、中途解約できません。契約書にもきちんと書いてあります。」

と言われて、解約できませんでした。

そこでA子さんは、勧誘してきたY社に連絡して、「話が違うから、B山さんを出してください。」などと言いましたが、Y社は「担当から折り返します」などと言うだけで、まともに取り合ってくれません。

A子さんがインターネットで調べると、たしかに、「リース契約は中途解約できない」と書いてあります。

そのため、A子さんは、

(諦めてこれまでどおりリース料をZリース社に支払っていくしかないのか・・・)と絶望的な気持ちになりました。

(続きは次回記事)

このように、こういった悪質ホームページリース被害においては、契約をした後、ホームページが作られ、運用を開始して1、2か月程度経たないと、「効果が出ない」ということが契約者には分かりません。

そのため、契約者が「必要のない契約をしてしまった」と気づくのが遅れてしまいます。

そして、その時点で契約者がリース会社や販売会社に連絡しても、「中途解約できない」とか、「担当者から折り返す」と言って折り返さずに苦情をうやむやにする、といった対応で、リース契約を継続させるように仕向けられてしまうのです。

たしかに、本来、(正常な)リース契約は「中途解約はできない」とされています。

本来のリース契約の仕組みを、300万円のコピー機を例に簡単に説明します。

(時系列は事案により異なります。)

①リース物件を売る側を「販売会社」又は「サプライヤー」と言います(本件ではY社)。

②リース会社(賃貸人)(本件ではZリース会社)が販売会社にリース物件の代金として300万円を支払います。

③リース会社はそれをユーザー(賃借人)(本件ではA子さん)に賃貸(リース)します。

④ユーザーはリース会社にリース料を支払っていきます。

このように、通常のリース契約であれば、すでにリース会社が販売会社(サプライヤー)に、売買代金全額を支払ってしまっています。

リース会社としては、ユーザーからリース料の支払いを受けることで、支払った代金を回収することを予定しているのです。

そのため、基本的に、リース契約をリース期間中に中途解約することはできないとされているのです。

本件では、Y社はこの「リース契約は中途解約できない」という性質を利用して、あえて「リース契約」という形式をとることによって、A子さんが解約を言い出しにくいようにあらかじめ形式的に準備していると思われます。

しかし、A子さんの事案のようにそもそもリース物件にほとんど価値がないような場合には、「暴利行為として無効だ」という主張など、「中途解約」以外の主張方法が考えられますので、本来A子さんとしては諦めなくてもいい可能性もあるのです。

業者の言い分を鵜のみにせず、一度弁護士にご相談いただければと思います。

※リース契約の案件を解決できるかどうかは、事案によって異なります。

愛知市民法律事務所 弁護士 榊原真実

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