労働問題
残業代の不払いや、不当な解雇など、働く方の基本的な権利が実際には守られていないということがよくあります。労働組合や労働基準監督署に相談するほかに、弁護士に依頼して通知を送ったり裁判手続きを利用することで解決できる場合もあります。「会社からはこう言われたけど、本当?」 という疑問がある場合には弁護士にご相談ください。
労働問題の解決方法
労働問題の解決方法には以下のようなものがあります。適する手続は事案によって異なります。3~6の方法は、弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。
1.労働組合を通じた交渉
2.労働基準監督署への申告
3.内容証明郵便などによる通知書の送付
4.裁判所に対する労働審判手続の申立て
(最初は話し合い(調停)で解決を図り、話し合いで解決できない場合には裁判官が判断(審判)します。3ヶ月程度で終了することが予定された制度です。)
5.裁判所に対する仮処分の申立て
6.裁判所に対する訴訟の申立て
労働問題の相談事例
1.残業代がいくらになるか知りたい。また請求方法を知りたい。
→雇用主は、時間外労働(1日8時間、週40時間を超える労働)をさせる場合には、通常の賃金に加えて以下の割増賃金を支払わなくてはなりません。計算してみてください。
1.平日の残業:25%以上
2.平日の深夜残業(夜10時~朝5時):50%以上
3.休日労働:35%以上
4.休日の深夜労働:60%以上
請求方法としては、会社に対する内容証明郵便の送付、労働基準監督署への申告等による方法がありますが、これらによっても支払われない場合は労働審判や訴訟を提起する必要があります。
2.納得いかない理由で突然解雇されました。
→懲戒解雇ではない普通解雇の場合でも、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められる場合でなければ、解雇は無効となります。
まずは解雇理由を会社に確認する必要があります。できれば文書で出してもらってください。
働き続けたい場合は、解雇予告手当や退職金を受領しても解雇を受け入れるわけではないことを内容証明郵便等で会社に通知します。
その後の手続きとしては、裁判所に対し労働審判を申し立てたり、「地位保全の仮処分」「賃金仮払いの仮処分」 などを申し立てる方法があります。
なお、解雇を受け入れる場合で解雇予告手当が支払われていない場合には、上記の残業代支払いの請求と同じような方法で支払いを求めることになります。
3.仕事中に怪我をしましたが、会社が労災請求してくれません。
→「労災」とは、労働者が業務中(通勤中や休憩中の場合も含む)に負傷した場合に治療費や休業補償などを請求できる制度です。アルバイトやパートの方でも請求できます。
しかし、会社は、過失を認めたくなかったり、保険料の増額や手続きの面倒さを嫌がり、労災請求してくれないことがあります(労災隠し)。そのような場合には自分で請求することになります。
労災が認められなかった場合で不服がある場合には、労災認定を求める行政訴訟を起こす必要がありますので、弁護士にご相談された方がいいでしょう。
労働事件の弁護士費用
一般的な民事事件の費用基準と同様ですので、◆こちらのページをご参照ください。
使用者の方
当事務所では、使用者側の労使問題も扱っております。
使用者側の労使問題については、◆企業法務のページをごらん下さい。